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わたしのなかの僕

男性として生まれていれば、きっと自然だった。性同一性障害でもトランスジェンダーでもない、わたしと僕の日常。

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花と暮らす

花屋さんに通うようになったのは、最近のことです。
お気に入りの花屋さんもいくつかでき、その日の気分に合う雰囲気のお店に行きます。

お気に入りの花屋さんと喫茶店は訪れるだけで特別な気分になれる、
週に1、2度の小さな贅沢です。


花に興味を持ったのは母からの遺伝でしょうか。
ですが、最近までは、家に花を飾ることはありませんでした。
雑然とした家では、スペースの上でも気持ちの上でも花を飾る余裕はなかったからです。
飾ったとしても、雑然とした家での居心地の悪い生活のなかでは、
世話が行き届かず、すぐに枯らしてしまったことでしょう。

それが、少しずつ家が整い、自分が整い、ふと、花を飾りたくなって、
よく目に留まっていた花屋さんで花と花器を買いました。
とてもいい気分でした。

家に帰り、
大きな桶にたっぷり張った、冷たい水の中での水切り。
お気に入りの鋏ごしに伝わる、サクサクショキショキと切る感触。
瑞々しい花や葉。

指に触れるすべてが、心地よく感じます。


僕はほとんど男性として生活していますが、花に触れるのに男も女も関係ないと思います。

自分が世話をしなければ生きていけない、物言わぬ小さな命にそっと触れる時間は、
静かで、穏やかで、なんとなく神聖な感じがします。

男性にとってもいいものですよ、花のある暮らし。


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結婚記念日

先日、1回目の結婚記念日を迎えました。

僕はほとんど男性として日常生活を送っていますが、男性のパートナーがいます。
戸籍上は「夫」にあたります。
交際の期間から含め、7年ほどの付き合いです。


先に書いた記事にあるとおり、わたしのなかの”僕”がはっきりしたのは、
結婚が決まり、挙式を待っているようなときでした。

僕は迷い、夫は戸惑い、それぞれ悩みました。

当然ですが婚約している状態で、結婚式の招待状の返事だってぼちぼち返ってきている。
待ったは利かない状況。

理解はできなくとも受け入れてくれた夫に甘え(甘えに甘え……)
どうにか籍を入れ、結婚式を挙げました。
前撮りでは、タキシードを着せてくれました。

心が広いのか、あまり深く考えない性質なのか。
不思議なパートナーです。


夫はいわゆるシスジェンダーヘテロセクシュアルで、
僕と出会うまでLGBTセクシャルマイノリティの世界とは無縁の人でした。

なぜか、会社のスカートの制服を着ていた僕のことを、
「本当は男なのではないか」と疑った変な人ですが、
僕がどんどん男性として過ごすようになっても、
不平も不満も言わず、受け入れてくれています。
頭が下がるというか、申し訳ないという気持ちもあります。

時々「ごめんね」と言います。
「いいよ」って返ってきます。

ジェンダーの悩みを抱えていない女性と一緒であれば、
普通に男女のデートができたわけです。
子供だって、素直に欲しがれたわけです。
職場が同じがために、カミングアウトに巻き込まれずに済んだわけです。

でも、一緒にいてくれる。

なにを返してあげられるんだろうと考えます。


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名前のこと

僕には名前がふたつあります。

ひとつは両親がつけてくれた、戸籍上の名前「まり」。
もうひとつは、男性としての名前「りく」。

どちらも気に入っています。


「りく」は、夫がつけてくれました。


夫は僕の男性性のことやジェンダーについてなど、
あまりよく分からないようですが、受け入れてくれています。

「理解」と「受け入れる」って、別物なんですね。

僕の男性性が強く、男性として生きる時間が欲しい、
男性として生きる時間を作ろうとしたとき、
夫に名付けをお願いしました。

しばらく考えた後、つけてくれた名前が「りく」です。

僕の好きなゲーム「ゼルダの伝説」のキャラクターの「リンク」からとったのだそうです。
安直ですが、夫らしいなと思いました。


男性としての名前をもらいましたが、
僕は自分が「まり」と呼ばれようと「りく」と呼ばれようと苗字で呼ばれようと、実は気にしていません。

僕のことを、僕を示す名前で呼んでもらえる、

それだけでうれしいからです。

自分を整える(自己管理)

30歳を目前に控え、自己管理の大切さを感じている今日この頃です。


僕は病弱だったり虚弱体質だったりするわけではありませんが、胃腸が弱く、また慢性的な気管支炎のため熱が出やすい身体です。
学生の頃、丸一日無事に授業を受けられた日のほうが少ないほど。よく保健室やトイレのお世話になっていました。

くわえて、受け入れがたい性別(身体)で常に過ごさなくてはならないので、
ストレスがつきまとい、自律神経もくずれやすいのではないかなと思います。

小さな不調は日常茶飯事。

夫からは、「元気な日ってあるの?」と聞かれるほど。
ありますよ。……たぶん。



小さい頃は「なんで」と思っていました。

だって、みんな授業を抜け出すことなんてそうそうない。
切羽詰まって席を立って、「先生、気分が悪いのでトイレ(保健室)に行ってもいいですか」なんて、
毎日のように慌ててトイレや保健室に駆け込むのは自分だけ。

「成長したら治まるよ」なんてかかりつけ医は言っていたけど、治まることはありませんでした。

中学生になると、部活(テニス部)から帰ったら必ず熱を出し、やっとの思いで課題だけをこなす日々。
テレビを観る余裕などなく、ドラマやバラエティーの話題で盛り上がる周囲についていけませんでした。
夜更かしして、翌朝や授業中に眠たそうにする友人が羨ましかった。


最近までは「しかたない」と思っていました。

胃薬にも整腸剤にも限界がある。
ころっとよくなることなんてありません。
気管支炎は、腫れているけれど手術してとれるほどではなく、こちらも付き合っていくほかありません。

口にするものに気を遣い、運動や疲れるような行動は(遊ぶことももちろん)、休日前や長期休暇中だけ。
2連休や3連休で旅行に行く人が羨ましかった。


けれど、いくら「なんで」と考えても、
「しかたない」と諦めたり自棄になったりしても、
なにも変わらない。

せっかくの時間、せっかくの人生。

夢中になれる仕事に就くことができ、大切な家族もいる。
元々好奇心旺盛で、やってみたいことは山ほどある。

できるだけ楽しみたい。


最近は徹底的に自分を管理するようになりました。

他の生き物に接するような感覚で、自分の身体や心と付き合っています。
こんなにも御しがたいものだとは。

週間バーチカル型の手帳に真っ先に書き込むのは、睡眠時間。
次いで、仕事と、自分をメンテナンスする時間。
食事にはもっと気を遣い、ランニングと筋トレで体質をカバーできるだけの体力をつけ。
もっとも……トレーニングするタイミングは気をつけなければなりませんが。
病院に行ったり検査を受けたり、専門的なところは専門家と薬も上手に頼って。


ずいぶん、心身とも自由になりました。

好奇心のおもむくまま、やりたいことができる。
大好きな仕事に打ち込める。

幸せです。


ところで、自分の弱い部分をアピールして、可哀想だと思われたくてこんな記事を書いたわけではありません。

でも、人間ですから、ほんの些細なことでも……自分ががんばっていること、やっぱり知ってほしいなと思うじゃないですか。


僕の自己管理の三種の神器

体温計と、体調を記録できるリズムケアというアプリと、ランニングのお供のNike Run。


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家を整える(玄関・トイレ)

外出を控え、家で過ごす時間が増えました。

僕にとって、今まで家というのは、ただ食事や入浴、睡眠のための場所でした。

自分にとって大切な場所は、
夢中になれる仕事をする会社だったり、パートナーや友人と語らう居酒屋だったり。
ひとりぼんやりと珈琲を飲む喫茶店。移ろう景色を感じ風をきって走るランニングコース。
子供の頃を懐かしみながら少し老いた両親やすっかり頼もしくなった弟と過ごす実家。
……など、ほとんどが外にありました。

家のなかは雑然としていて、なんとなく、居心地がよくなかった。

それが、家にこもらざるをえなくなり。
仕事もテレワークになって隙間時間が増え。

家のあちこちに散らかるものや、手入れの行き届いていないところ、ささいな不便、
そういったものがとても気になるようになりました。

時間はとても大切なものです。
その貴重な限られたものを、どこでどう使うのか。


必然的に、
長く過ごす場所である家を居心地よく整えようと思いました。


真っ先に手をつけたのは玄関とトイレ。

片付けや掃除の範囲が狭く、取り掛かりやすいうえ、
帰って真っ先に通る場所、一日の始まりと終わりに必ず使う場所。

丁寧に掃除をして、靴や掃除道具など置いてあるものを見直しながら整理して、花や雑貨をためつすがめつ飾れば……

一気に暮らしが変わりました。
なんだか家も見違えて見えるようです。

一日を爽やかに始め、穏やかに終えるのは
とても心地が好いです。
体調や心にも変化がありました。


朝早くから治療を受け、それが終われば仕事。
少し忙しいですが、起きる時間を10分早めて、
毎朝欠かさず玄関やトイレを掃除しています。

両方とも掃除をする時間はないので、無理せず片方ずつ。
週末に普段行き届かないところを。


静謐な時間が流れる、
とても古いけれど、手入れの行き届いた綺麗な家。

そんな家を目指して。


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