花と暮らす
花屋さんに通うようになったのは、最近のことです。
お気に入りの花屋さんもいくつかでき、その日の気分に合う雰囲気のお店に行きます。
お気に入りの花屋さんと喫茶店は訪れるだけで特別な気分になれる、
週に1、2度の小さな贅沢です。
花に興味を持ったのは母からの遺伝でしょうか。
ですが、最近までは、家に花を飾ることはありませんでした。
雑然とした家では、スペースの上でも気持ちの上でも花を飾る余裕はなかったからです。
飾ったとしても、雑然とした家での居心地の悪い生活のなかでは、
世話が行き届かず、すぐに枯らしてしまったことでしょう。
それが、少しずつ家が整い、自分が整い、ふと、花を飾りたくなって、
よく目に留まっていた花屋さんで花と花器を買いました。
とてもいい気分でした。
家に帰り、
大きな桶にたっぷり張った、冷たい水の中での水切り。
お気に入りの鋏ごしに伝わる、サクサクショキショキと切る感触。
瑞々しい花や葉。
指に触れるすべてが、心地よく感じます。
僕はほとんど男性として生活していますが、花に触れるのに男も女も関係ないと思います。
自分が世話をしなければ生きていけない、物言わぬ小さな命にそっと触れる時間は、
静かで、穏やかで、なんとなく神聖な感じがします。
男性にとってもいいものですよ、花のある暮らし。